原子力

放射性物質

核分裂 核融合 天然原子炉 古代核戦争説
放射能  放射線の人体への影響  放射線・放射能・放射性物質  放射線と放射性物質の違い  原発事故由来の放射性物質  放射性物質  放射能汚染  放射線障害  原子爆弾の仕組み  コバルト爆弾  中性子爆弾  サミュエル・コーエン  レッドマーキュリー  タップ・オノス  日本への原子爆弾投下  放射能雨 


放射能
放射性同位元素放射性崩壊を起こして別の元素に変化する性質(能力)を言う[1]。なお、放射性崩壊(構成の不安定性を持つ原子核が、放射線…α線、β線、γ線…を出すことにより他の安定な原子核に変化する現象)に際しては放射線の放出を伴う
放射能は、単位時間に放射性崩壊する原子の個数(単位:ベクレル [Bq])で計量される。
なお、ある元素の同位体の中で放射能を持つ元素を表す場合は「放射性同位体」、それらを含む物質を表す場合は「放射性物質」と呼ぶのが適切である
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD


↓ 資料はいずれも環境省

放射線の人体への影響
全身に放射線を受けることを「全身被ばく」、部分的に受ける場合を「局所被ばく」と呼びます。
全身被ばくでは、全ての臓器・体の組織で放射線の影響が現れる可能性がありますが、局所被ばくでは、原則として被ばくした臓器・組織のみに影響が現れます。
被ばくした部位に免疫系や内分泌系の器官が含まれる場合には、離れた臓器・組織に間接的に影響が現れることがあり得ますが、基本的には被ばくした臓器・組織の影響が問題となります。
また、臓器によって放射線への感受性が異なります。このため、局所被ばくでは、被ばくした箇所に放射線感受性の高い臓器が含まれているかどうかで、影響の生じ方が大きく異なります。
 内部被ばく:体の中の放射線源(食事や呼吸で体内に取り込まれた放射性物質)から体内で被ばくすること。
 外部被ばく:宇宙や大地からの自然の放射線や、病院の検査などの人口放射線を受けること。

細胞は生命の設計図ともいえるDNAを持っています。このDNAに放射線が当たると、DNAの一部が壊れる事があります。
DNAを傷つける原因は、放射線以外にも、食物の中の発がん物質、たばこ、環境中の化学物質、活性酸素等があり、一日1細胞当たり、1万から100万か所の頻度でDNAは損傷を受けているといわれています。
細胞には、DNA損傷を修復する機能があり、DNAが損傷を受けると、修復酵素が駆けつけて、こうした傷を修復しますが、修復には、完全に修復される場合と一部が不完全に修復される場合があります。
全身に放射線を受けることを全身被ばく、部分的に受ける場合を局所被ばくと呼び ます。
全身被ばくでは全ての臓器・組織で放射線の影響が現れる可能性がありますが、局 所被ばくでは、原則として被ばくした臓器・組織のみに影響が現れます。被ばくした部 位に免疫系や内分泌系の器官が含まれる場合には、離れた臓器・組織に間接的に影 響が現れることがあり得ますが、基本的には被ばくした臓器・組織の影響が問題となり ます。
また、臓器によって放射線への感受性が異なります。このため、局所被ばくでは、被 ばくした箇所に放射線感受性の高い臓器が含まれているかどうかで、影響の生じ方が 大きく異なります。
内部被ばくの場合、放射性物質が蓄積しやすい臓器・組織では被ばく線量が高くな ります。この蓄積しやすい臓器・組織の放射線感受性が高い場合、放射線による影響 が出る可能性が高くなります。チェルノブイリ原発事故の後、ベラルーシやウクライナで は、子供の甲状腺がんの発症数が増加しましたが、これは、放射性ヨウ素が甲状腺に 蓄積しやすいこと、子供の甲状腺が大人より放射線感受性が高いことの両方の原因 によります
http://shiteihaiki.env.go.jp/radiological_contaminated_waste/basic_knowledge/effect_on_human_body.html

放射線・放射能・放射性物質とは
放射性物質は放射線を出しますが、その能力を「放射能」といいます。「この岩石は放射能を持っている」、「この岩石は放射線を出す」という表現を用います。この岩石の持っている放射線を出す能力の大きさを「ベクレル(Bq)」という単位で表します。
その受けた放射線で、どれ位の影響を受けるかを知る際に必要な放射線被ばく線量の単位として、「シーベルト(Sv)」が使われます。
放射能(ベクレルで表した数値)が大きいほど、放射性物質からたくさんの放射線が出ていることを意味しますが、被ばく量(シーベルトで表した数値)は放射性物質と被ばくする人の距離によって変わります。
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h29kisoshiryo/h29kiso-01-01-01.html

放射線と放射性物質の違い
放射性物質とは放射線を出す物質のことです。例えば、「この水は放射性物質を含んでいる」といいます。放射能という言葉は、放射性物質と同じ意味に使われることもありますが、自然科学分野では放射線を出す能力の意味に使います。
密封された容器に放射性物質を含んだ水が入っていた場合、容器から放射線は出てきますが、放射性物質は出てきません。もしふたのない状態で放射性物質の入った水が置かれていたら、こぼれる等して放射性物質が広がっていく可能性があります。
体内に入った放射性物質は、一定期間体に残り臓器間を移動したりすることがありますが、体外へ排出されたり放射線を出して放射能を失うものもあります。また放射線によって細胞が受けた影響の一部は残ることがありますが、放射線自体は身体に残ることはありません。
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h29kisoshiryo/h29kiso-01-01-02.html

原発事故由来の放射性物質
東京電力福島第一原子力発電所事故により、環境中に放出された放射性物質で、健康や環境への影響において、主に問題となるものは、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137、ストロンチウム90の4種類です。そのほかにも様々な物質が放出されましたが、いずれもこの4種に比べると半減期が短いか、放出量が小さいことが分かっています。
ヨウ素131は、半減期が8日と短いのですが、体内に入ると10~30%は甲状腺に蓄積されます。そうなると甲状腺は、しばらくの間、β(ベータ)線とγ(ガンマ)線による被ばくを受けることになります。
原子力発電所の事故による汚染の場合、問題になる放射性セシウムにはセシウム134とセシウム137の2種類があります。セシウム137の半減期は30年と長く、環境汚染が長く続きます。放射性セシウムは化学的性質がカリウムとよく似ているため、体に入った場合は、カリウム同様ほぼ全身に分布します。セシウムやヨウ素の生物学的半減期は年齢によって変わり、若いほど短くなることが知られています。
ストロンチウム90は半減期が長く、化学的性質がカルシウムに似ているため、体に入ると骨に蓄積します。γ線を出さないため、セシウム134及び137ほど簡単にどこにどれだけあるかを調べることはできません。原子力発電所事故の場合セシウム134及び137よりも量は少ないながら、核分裂によって発生したストロンチウム90も存在すると考えられています。東京電力福島第一原子力発電所事故由来のプルトニウム239等も検出されていますが、量的には事故発生前に全国で観測された測定値と同程度です。
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h29kisoshiryo/h29kiso-02-02-04.html

放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ、英語: radioactive substance[1][2][3])とは、放射能を持つ物質の総称である。主に、ウラン、プルトニウム、トリウムのような核燃料物質、放射性元素もしくは放射性同位体、中性子を吸収又は核反応を起こして生成された放射化物質を指す[注釈 1]。

定義
・原子炉で核燃料物質が核分裂して生成された物質を核分裂生成物、原子炉及び設備の鉄骨や水が中性子を吸収して生成された物質を「核燃料物質によって汚染された物質」、濃縮等の製錬によって核燃料物質となる原料を核原料物質という[4][注釈 2]。
・放射線療法などで使用する放射線を生み出す放射性物質を、放射線源という。
・原子力施設や放射線利用施設などで発生する放射性物質を含む廃棄物を、放射性廃棄物という。

放射性物質の測定
放射性物質とは広義には放射性同位体を含む物質をいい、化学的には単一物質と混合物がある[3]。また、化学的には単一の物質であっても、同位体の比率が異なるなど同位体レベルでは異なる物質の混合物であることもあるが、この場合放射化学的に不純であるという[3]。
放射性物質は放射能がかなり強くても質量換算および原子数、モル数では極めて微量であることも多く、通常用いる化学的手法で分析することが難しい場合は放射線や半減期を測定することによって分析する[3]。また放射性物質を化学的に単離するには、溶媒抽出やイオン交換など、同時に存在するほかの物質の影響を被りにくい化学的手法が用いられる[3]。また同位体レベルで分離するには化学的手法が通用しないため、質量差を利用した遠心分離など物理的手法が用いられる。

半減期
放射性物質は時間とともに崩壊し、最終的には放射能を持たない安定な同位体となる。その期間を示す指標として半減期という値を用いる。半減期は核種により異なり、1マイクロ秒に満たないものから、ビスマス209の1900京年に及ぶものがある。同じ元素でも質量数により大きく異なり、例えば鉄55は2.73年なのに対し、鉄61は5.98秒とかなり短い。半減期が長い元素ほど少しずつ放射線を放出するため放射能濃度が低く、逆に半減期が短い元素は短期間に放射線を放出するため放射能濃度が高い。

自然の放射性物質
核燃料や核兵器の製造や、加速器を用いて人工元素を合成することなどで人為的に取り扱われるものばかりが放射性物質ではない。
太陽や恒星から降り注ぐ宇宙線(中性子)は、大気に含まれる原子や人工物に吸収されて放射化する。例えば、炭素14は、空気中又は鉄骨中の窒素原子が宇宙からの中性子線を吸収して自然に生成される。また、ウラン235が放射線を放出しながら、ラドン等の娘核種を経て生成されていくものもある。
自然界には多種多様の放射性物質が存在し、そのうちのいくつかは生物に取り込まれている。土壌に含まれている放射性物質からは、その地に生息する生物は継続的に被曝している。

放射性物質の管理
人為的に発生させた放射性物質で被曝の恐れがある場所は放射線管理区域に指定されて、厳密に管理される。
放射線管理区域には「汚染のおそれのある管理区域」と「汚染のおそれのない管理区域」があり、前者は中性子によって放射化された物質が付着する可能性がある区域後者はガンマ線の被曝のみの区域である。

放射性物質の利用
詳細は「放射線」を参照
放射性物質は工業、農業、医療その他の分野で広く利用されている(放射線)。自然環境に含まれる放射性物質の含有比によって年代測定を行うことができる。生物の必須元素である炭素14やカリウム40などがその指標として計測される。

放射性物質の危険性
核爆発
核爆発を引き起こすことは簡単にできないので、原子爆弾のイメージから放射性物質がたちまち核爆発を起こすと恐れる必要はない。核分裂速度よりも、核燃料物質が中性子を吸収する速度が大幅に大きい場合に臨界といわれる現象を生じるため、核爆発のためには核燃料物質の濃度を高める(中性子を核燃料物質が吸収する確率を高める)必要があり、人為的に核燃料物質を90%以上に濃縮した原子爆弾において生じる。

臨界事故
東海村JCO臨界事故のように、放射性物質が核分裂反応の連鎖を起こす臨界状態になると、短期間に核分裂生成物の生成が大量に行われるため、放射線量が致死量を超える場合がある。臨界になるための条件を臨界条件といい、主に放射性物質の核種、質量、濃度、形状と、その周囲の状態で決められる。臨界状態にならないように管理することを、臨界管理といい質量管理、濃度管理、形状管理が行われている。

人為的な事故だけでなく、核燃料物質の濃度が高くなった場合は、天然でもオクロの天然原子炉のように臨界状態になることがある。

放射線被曝
詳細は「被曝」を参照
放射性物質が発見されたときには、放射線被曝が人体にどのような損傷を与えるかが知られていなかったために、キュリー夫妻のような初期の研究者は放射線障害に苦しんだり、白血病などで健康を害することが多々あった。
放射線のうち、アルファ線とベータ線に関しては特別な技術を用いなくても容易に遮蔽することができるが、ガンマ線、X線、中性子線は物質を透過する能力が高いため、できるだけ生態系に影響を与えない配慮が求められている。その具体的な方法は、放射線が十分に減衰するだけの間隔と遮蔽を取ることである。
放射性物質を体内に取り込んでしまった場合には間隔と遮蔽を取ることが不可能なので、内部被曝はすべての放射線が影響を及ぼす。また体内に取り込まれた放射性物質は元素の種類により、特定の組織・臓器に沈着する。例えばセシウム137は筋肉・全身に、ヨウ素131は甲状腺に、ストロンチウム90は骨に沈着する。プルトニウム238239および240が放出するアルファ線は放射線荷重係数が大きく人体への影響も甚大である。

原子力発電所の周辺公衆の被曝基準(1mSv)は、具体的には「発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針」(平成2年8月30日原子力安全委員会決定)に定められており、これは「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」(昭和53年通商産業省令第77号)第2条第9号「核燃料物質及び核燃料物質によって汚染された物による放射線の被ばく管理並びに放射性廃棄物の廃棄に関する説明書」に示された評価について、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(昭和32年法律第166号)第23条第1項に基づく経済産業大臣への許可申請及び第24条第2項の原子力安全委員会の聴取において審査される。
また、放射壊変に伴ってニュートリノなどの素粒子が放射されるが、これらは物質をほぼ無限に透過する性質があるものの物質に対しての影響が実質的にないため、この種の問題の際は無視してよいものとされる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E7%89%A9%E8%B3%AA

放射能汚染(ほうしゃのうおせん、英: radioactive contamination, radiological contamination)とは、放射性物質によって望まれない場所や物質(表面、固体、液体、気体、および、人体を含む)が汚染されること、または、その放射性物質の存在を指す[1][2]。量、つまり表面上(単位表面積)の放射能を指す言葉として用いることは少ない。
放射能汚染の語は、意図せず、望まれない放射能が存在することを示してはいるが、関係する危険性の大きさについて具体的な指標を与えるものではない。
汚染源
放射能汚染は、通常、過剰なエネルギーを持った不安定な核種である放射性核種(放射性同位体)を生産したり、使用している間に、漏洩や事故によって生じる。通常のことではないが、放射性降下物は核爆発によって放射能汚染が分布している。事故によって放出された放射性物質の量は、ソースターム(source term)と呼ばれる。 汚染は、放射性の気体、液体または粒子から見出される可能性がある。例えば、核医学に使われている放射性核種が事故で漏れれば、その物質は人が歩き回ることによって拡散する可能性がある。 放射能汚染は、核の再処理中における放射性キセノンの放出のような、避けられない過程の不可避の結果である可能性もある。放射性物質を封じ込めることができない場合でも、安全な濃度にまで希釈できる可能性はある。アルファ放射体による環境汚染の議論に関しては、環境中のアクチノイド(actinides in the environment)を参照。
汚染は、廃炉が完了した後の場所に残る残留放射性物質は含まれない。 格納容器は放射性物質を放射能汚染から区別するものである。したがって、密封されて指定された容器中にある放射性物質は、測定単位は同じかもしれないが、正確には汚染とは呼ばない。

放射線モニタリング
放射線モニタリング(Radiation monitoring)は、放射線による被曝および放射性物質のアセスメントやコントロール、その結果の解釈のために、放射線の線量や放射性核種による汚染の測定を必要としている。異なる、放射性核種、環境媒体、施設のタイプごとの環境放射線モニタリング・プログラムおよびシステムのデザインと運用の方法論的、技術的詳細は、IAEA Safety Standards Series No. RS?G-1.8[3] 、およびIAEA Safety Reports Series No. 64[4]に書かれている。

測定
放射能汚染は、表面、あるいは、材料内や空気中に存在する可能性がある。アメリカ合衆国の原子力発電所では、放射能と汚染の検出と測定はしばしば認定保健物理学者(Certified Health Physicist)の役目となっているが、日本の保健物理学会にはそのような認定資格はなく、日本の国家資格としては作業環境測定士がこれに相当する。しかし、法定の測定以外、特に日常的な測定の場合は放射線業務従事者自身が行うことが一般的である。

表面汚染
国際単位系では、ベクレル/平方メートル(Bq/m2)となる。100cm2あたりピコキュリーや、平方センチメートルあたり壊変毎分のような他の単位を用いて現すこともできる。 表面汚染は、固定されているか、除去可能か、いずれかの可能性がある。固定汚染の場合、その名のとおり、放射性物質は拡散しないが、測定はできる。

危険性
環境や人への放射能汚染の危険性は、放射能汚染の性質、汚染のレベル、汚染の広がりの範囲に依存する。非常に低いレベルの放射線さえ生命に危険を及ぼす可能性がある。低レベルの放射能汚染でも、放射線計測器で検出することができる。 高レベルの汚染は、人と環境に大きなリスクを引き起こすかもしれない。人間は、大量の放射性物質をともなう原子力事故(または、核の意図的な起爆)に続く汚染の広がりから、外部、および、内部の両方で、潜在的に致命的な放射線レベルにさらされるおそれがある。 放射能汚染に対する外部被曝の生物学的影響は、一般に、エックス線機器などの放射性物質をともなわない外部の放射線源からのものと同じであり、吸収線量に依存する。

生物学的影響
放射線障害」も参照 体内に沈着した放射性核種の生物学的影響は、放射性核種の放射能、生体内分布、除去速度に強く依存し、同じく、その化学形態に依存する。生物学的影響は、その放射能とは独立に、沈着物質の化学毒性に依存する可能性もある。いくつかの放射性核種は、トリチウム水のケースのように、一般に、体中を通して分配され、急速に取り除かれるかもしれない。 いくつかの器官は、ある元素、従って、それらの元素の変異体である放射性核種を濃縮する。この作用は、はるかに低い除去速度をもたらすかもしれない。例えば、甲状腺では、体に入るヨウ素の大部分で占められている。もし、大量の放射性ヨウ素を吸引したり、摂取すれば、甲状腺は障害を受けるか、破壊される可能性があり、一方、他の組織はそれほど影響をうけない。放射性ヨウ素は一般的な核分裂生成物である。それはチェルノブイリ原子力発電所事故から放出された放射能の主要な成分であり、小児の甲状腺癌と甲状腺機能不全で9件の致死症例をもたらしている。


風評被害…略

汚染経路
放射能汚染は、食物の摂取、吸気、肌からの吸収、または、注射を通して体内に入ることが可能である。従って、放射性物質を扱う際には、防護具の使用が重要となる。放射能汚染は、汚染した動植物を食べたり、あるいは、汚染水や汚染した動物のミルクを飲んだ結果、摂取される。大きな汚染事故の後では、内部被曝につながる全ての可能な経路を考慮すべきである。

居住空間の放射線
「ラドン#屋内ラドンの危険性」も参照
居住空間における一般的な放射線源としてはラドンをあげることができるが、まれに建築資材に放射性物質が含まれている場合もある。たとえば、台湾では、1982年から1984年に放射性物質であるコバルト60がリサイクル鉄鋼に混入され補強材として学校やアパートの鉄筋に用いられ、約1万人が長期にわたって被曝し、マスコミにも取り上げられた[9]。追跡調査の結果、この台湾の事例では慢性的な低線量被曝による特定部位の癌リスクの増加[10]および被曝線量とレンズ混濁の相関が報告されている[11]。1983年から2005年にわたる追跡調査の結果によれば、追跡期間は平均19年、住民の受けた平均被曝線量は48mGy(中央値6.3mGy)で、調査集団の平均年齢は最初の被爆時において17±17歳、追跡期間の終了時において36±18歳、Cox比例ハザードモデル(Proportional hazards model)を用いた解析から、慢性リンパ球性白血病を除いた白血病で、100mGyあたり1.19(95%CI 1.01?1.31)のハザード比(Hazard ratio)の有意な増加が観測され、乳癌で、100mGyあたり1.12(90%CI 0.99?1.21)のハザード比の増加傾向が観測されている[12][13]。全癌のハザード比は、100mGyあたり1.04(90%CI 0.97?1.08)、白血病を除く全癌では、100mGyあたり1.02(90%CI 0.95?1.08)と、増加傾向を示した[14]。民生マンションの被曝住民は、台湾原子力委員会を相手に起訴を起こし、一審では勝訴の判決を受けている[15]。イタリアでも、中国製鋼材にコバルト60が含まれていた事が分かり、国際刑事警察機構による捜査が行われた[16]。日本では、セシウムの検出された汚泥をセメント原料として用いられた例がある[17][18]。

原子力発電所由来の放射線
原子力発電所の近くは、核事故がなくても微量な核物質が常に漏れ出しており、原子力発電所の敷地境界での許容値は年間0.05ミリシーベルトの上昇である。この値は許容限界であって、実際は0.001ミリシーベルト以下と低線量であるため、住民の安全は確保されているとの主張がある[19]。
しかしながら、最近の研究によれば、ドイツの原子炉周辺の地域において子供の白血病や癌の罹患率が高いことが報告されており[20]、アメリカにおいても原子炉周辺住民の癌の発症率が高いことが報告されている[21][22][23]。

15カ国の原子力産業の労働者、約40万人を対象にした国際がん研究機関のE.カーディスらによる疫学調査[24]によると、対象者の平均累積被曝線量は外部被曝の記録から19.4ミリシーベルトで、低線量や低線量率の被曝においてさえも発癌の過剰リスク(excess risk)の存在を示唆する結果が報告されている[25][26]。一方、日本では、文部科学省の委託を受けた放射線影響協会による「原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査」の結果が2010年3月に報告されており[27]、食道癌、肝癌、肺癌、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫の死亡率に累積線量にともなう有意の増加傾向が認められたものの、一人当たりの平均観察期間が10.9年と短いために偶然の可能性も否定出来ないとし[28]、相対リスクの推定値にはばらつきがあるため、「過剰相対リスク推定値の信頼性を高めるためには、累積線量の高い群での症例数を蓄積することが有効」との見解が示されている[29]。
日本における原発労働者の被曝による労災認定の状況は、福島第一原子力発電所事故を受けて、2011年4月27日、厚生労働省によって初めて公表され[30]、その中には累積でおよそ40から50ミリシーベルト程度の被曝を受け白血病により死亡した例などがあった[31][32]。労働安全衛生法に基づく規則には、原発作業員の累積被曝量の限度は、5年間で100ミリシーベルトを超えてはならないと規定されている[33]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E6%B1%9A%E6%9F%93

放射線障害
放射線障害(ほうしゃせんしょうがい、radiation effects、radiation hazards、radiation injuries)とは、生体が放射線被曝することを原因として発生する健康影響をいう[1]。 放射線障害は被曝線量に応じて確率的影響(stochastic effects)と確定的影響(deterministic effects)の2つに大きく分類できる。

概要

1895年のレントゲンによる X 線の発見と共に放射線による身体への影響、放射線障害(radiation effects, radiation hazards, radiation injuries;放射線影響とも呼ばれる)が問題となった。放射線が人体に対してどのように影響をあたえるか、またどのように防げば良いかということはその歴史とともに確立及び変遷してきている。

詳細は「放射線障害の歴史」を参照
放射線防護を考える際には、どのレベルで起こった放射線障害かを明確にしておく必要がある。 放射線障害は、影響の出現する個体、時期、影響の程度などに着目して以下のように分類できるとされる[2] [注釈 1]。 ・被曝線量に着目した分類[注釈 2] 
 確率的影響(stochastic effects) ガン、遺伝的影響。
 確定的影響(deterministic effects)ガン、遺伝的影響以外のすべての影響。
・臨床医学的な分類(影響の出現する個体に着目した分類)
 身体的影響(somatic effects)
  被曝した本人に現れる影響(潜伏期間を基準として、さらに2つに区分される[3])。
   身体的影響の潜伏期間の長さによる分類
    早期影響(early effects)  被曝後に数週間以内に現れる影響。
    晩発影響(late effects)   被曝後、数か月以降に現れる影響。
 遺伝的影響(hereditary effects)
  被曝した人の子孫に現れる影響。

放射線がもたらす生物影響の仕組み

放射線の人体への影響は、放射線と人体を構成する物質との相互作用による物理的、化学的、生物学的過程を経て引き起こされる[4]。
・物理的過程
 放射線と人体との相互作用[注釈 3]により、人体を構成する物質の分子(または原子)が電離あるいは励起を起こしイオン化する。

・化学的過程
 発生したイオンは細胞中の水と反応し化学的に反応性の高いラジカルや過酸化水素、イオン対などに成長する。

・生物作用
 発生した高い電離作用をもつラジカル[注釈 4]などが、生体細胞内のデオキシリボ核酸(DNA)の化学結合を切断したり、細胞膜や細胞質内のリボソームなどを変化させる。
なお、生体細胞への影響としては、2の化学的な過程を経由せず物理的過程から直接、生物作用を起こす場合もありこれを直接作用(direct action)と呼ぶ[注釈 5]。これに対し、化学的過程を経て生物作用を起こす場合は間接作用(indirect action)と呼ばれる。
一般に、細胞分裂の周期が短い細胞ほど、放射線の影響を受けやすい(骨髄にある造血細胞、小腸内壁の上皮細胞、眼の水晶体前面の上皮細胞などがこれに当たる)。逆に細胞分裂が起こりにくい骨、筋肉、神経細胞は放射線の影響を受けにくい。これをベルゴニー・トリボンドーの法則と呼ぶ

DNAへの影響(確率的影響の発生するメカニズム)
詳細は「DNA修復」を参照
細胞内において放射線の直接作用、間接作用が発生した場合、主に問題となるのはDNA鎖の切断(二本鎖切断、単鎖切断)である[注釈 6][注釈 7]。DNAはポリヌクレオチドの二重鎖からなっているため、単鎖切断であれば酵素のはたらきによりもう一方のDNA鎖を雛形として正確な修復が可能である[6]。一方、二本鎖切断は修復不能であったり、修復誤りを起こす場合があり、細胞死や突然変異(発ガン、遺伝的影響)の原因となる[6]。
修復が不可能な場合は、アポトーシス(プログラム細胞死とも呼ばれる)を起こせば問題ないが、DNA鎖が損傷したまま細胞が生き残った場合、やはり身体的影響の発ガンまたは遺伝的影響のリスクとなる。
なお、がん細胞はDNA修復機能が低下しているので上記のような修復が充分に行われない[8]。この性質を利用しているのが放射線治療であり、放射線を当てると正常細胞はすぐに生存可能の範囲に修復されるのに対して腫瘍細胞は修復しきれずに細胞が死滅する[8]。

被曝線量の積み上げ過程とその放射線障害との関係
被曝の影響は単純には蓄積されないことが明らかになっている[注釈 8]。 放射線による生物効果は、同じ線量でも放射線の種類や線量率(単位時間当たりの線量)によって異なる。例えば、同じ積算線量 100mSv の被曝であっても、短時間に高線量率で被曝したときと、時間をかけて低線量率で被曝したときでは、放射線障害が発生した場合、低線量率で被曝した場合の方がその健康影響は軽度になると推定されている(ただし、動物実験でのみ確認されたものである[9])。これを線量率効果(dose rate effect)と呼ぶ

被曝線量に着目した分類

ICRPによって提唱された、放射線防護の観点からの出現パターン(発症率と発症メカニズム)による分類である。
一口に被曝といっても、例えば身体の広範囲に大量の線量の放射線を短時間に受けたときと、全身に少量の線量の放射線を長期に受けたときとでは、放射線障害として現れる症状、発症のメカニズムなどは異なる。そこで設けられた分類が以下の確率的影響と確定的影響である[13]。
確率的影響(stochastic effects)
主たる症状:ガン、遺伝的影響
閾線量:存在しないと仮定される(LNT仮説[注釈 11])
主に関係する他分類:臨床医学的分類:身体的影響(ガン)、遺伝的影響、発症時期的分類:晩発影響 放射線(主にガンマ線)による、少数の細胞の遺伝子の損傷などを原因とする影響である。
発生メカニズムについては、#DNAへの影響(確率的影響の発生するメカニズム) 参照 生体細胞であればガン(cancer)、生殖細胞であれば遺伝的影響(hereditary effects)として現れる。
確率的影響は、ひとつの体細胞あるいは生殖細胞が放射線の影響を受けた上で生存し、がん細胞あるいは受精卵となった上で増殖・出生するプロセスの成立・不成立を確率として捉えることから、その影響は確率的である。国際機関などでリスク評価の基礎情報になっている疫学データについては以下のようなものがある。

※1ガン総数は放射線被曝による過剰発生数だけではなく、自然発生数も含む。
※2人・年(PY)は、調査対象者の追跡年数の合計年数の合計を表している。これは、ガンに潜伏期間があるため、調査対象者の人数だけでなく追跡期間も考慮したもので、疫学調査の規模を示すものだと言われる[15]。
ほか、多数の動物実験などにより確率的影響の影響範囲については調べられている
確率的影響に分類される具体的障害
ガン(cancer)
遺伝的影響(hereditary effects)

確定的影響(deterministic effects)
主たる症状:皮膚の紅斑、脱毛、奇形など(ガン、遺伝的影響以外のすべての影響)
閾線量:存在する[注釈 12]
主に関連する他分類:臨床医学的分類:身体的影響 大量の線量を受けると、組織・臓器を構成している細胞の多数が細胞死などにより機能喪失をしてしまう。確定的影響は組織・臓器を構成している細胞の多数の機能停止による、その組織・臓器としての機能不全を原因とする影響である。物理的に細胞死することが原因であるので、その影響は確定的である[注釈 13]。
その障害発生の仕組みから、確定的影響は影響の発生する最小線量である閾線量(threshold dose)[注釈 14]が存在し、閾線量以上の被曝線量の増加とともに、重篤度(severity)が上がり、発症率も100%に達するまで増加する。
なお、確定的影響の閾線量は吸収線量(単位:グレイ[Gy])で表示される。
「放射線医学#しきい線量と影響の事例」も参照

臨床医学的な分類(影響の出現する個体に着目した分類)

人間の体を作っている細胞は体細胞(somatic cell)と生殖細胞(germ cell)に大別することができる。その細胞の分類を基に、細胞が放射線を受けたことが原因で発生した影響は、次のように2つに区分けすることができる。
身体的影響(somatic effects)
放射線により、体細胞に起こった変化・損傷が原因で発生した影響。
遺伝的影響(hereditary effects)
放射線により、生殖細胞に起こった変化・損傷が原因で発生した影響[注釈 15]。
身体的影響(somatic effects)
身体的影響(しんたいてきえいきょう、英語: somatic effects)とは、放射線によって体細胞に起こった変化・損傷が原因で発生した影響をいう。身体的影響は被曝時の年齢に関係なく発生する可能性がある。
ガン(cancer)
分類:確率的影響かつ晩発影響[注釈 16]
放射線被曝を原因として発生する可能性のある身体的影響がこのガン(放射線誘発ガン;radiation-induced cancer)[注釈 17]である。
疫学調査の結果[注釈 18]から、被曝線量に比例して放射線誘発ガンの発生率が増加することが明らかになっている[注釈 19] 。しかしながら、そのデータの下限は100mSv であり、100mSv 以下におけるガン発生リスクはデータが無いため不明である[23]。なお、短時間に[注釈 20]100mSv の被曝を受けたときの生涯ガン死亡リスクは 0.55% 上乗せとなる[注釈 21][注釈 22]。
短時間に100mSv以下の被曝を受けたとき、または長期継続的に低線量の被曝を受けたときのリスクをどのように評価するかということについては以下を参照。
詳細は「低線量被曝問題」を参照

ガン以外の身体的影響
分類:確定的影響
体の各臓器について、閾値を超える線量被曝をすることで様々な放射線障害が発生する[注釈 23]。歴史的に主に問題となったのは、皮膚に対する影響、眼の水晶体(lens)への影響[注釈 24]、造血臓器である赤色骨髄(red bone marrow)への影響などである[注釈 25]。

胎児への影響
詳細は「放射線の胎児への影響」を参照
胎内被曝による身体的影響は、基本的には確定的影響による晩発性障害として分類される。
急性放射線症候群(acute radiation syndrome)
全身あるいは身体の広い範囲に大量の放射線を短時間に受けた場合に発症する一連の症候群を急性放射線症候群(acute radiation syndrome)と呼ぶ[32][注釈 26]。
詳細は「急性放射線症候群」を参照

遺伝的影響(hereditary effects)
分類:確率的影響
遺伝的影響(いでんてきえいきょう、英: hereditary effects)とは、放射線によって生殖細胞に起こった変化・損傷を原因とする突然変異(mutation)が関係して発症するもので、とくに被曝した人の子孫に現れる影響をいう。遺伝的影響は生殖能力をもっているかまたは今後持つ人々(子供)が被曝したときでないと発生しない[注釈 27][注釈 28]。
ただし、日本への原子爆弾投下による被爆者の疫学的調査においては、被爆者の子孫において遺伝的影響は認められておらず[35]、2011年現在では、動物実験での報告があるのみである[36][注釈 29]。
そのため、放射線障害としての奇形の事例は、すべて妊娠中における胎児への放射線被曝によるものである。
詳細は「放射線の胎児への影響」を参照

以下略
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E9%9A%9C%E5%AE%B3


コバルト
コバルト(英: cobalt [?ko?b?lt]、羅: cobaltum)は、原子番号27の元素である。元素記号はCo。純粋なものは銀白色の金属である。常温で安定な結晶構造は六方最密充填構造 (hcp) で、420 °C以上で面心立方構造 (fcc) に転移する。鉄族元素のひとつであり、強磁性体である。鉄より酸化されにくく、酸や塩基にも強い。キュリー点は1150 °C。
コバルトを用いた核爆弾の1種であるコバルト爆弾についても、本記事で記述する。

名称
コバルトの名称と元素記号は、ドイツ語で地の妖精を意味するコーボルト(koboldまたはkobalt)に由来する。コバルト鉱物は冶金が困難であるため、16世紀ごろのドイツでは、コーボルトが坑夫を困らせるために魔法をかけたものと考えられていた。
なお、日本語における「コバルト」というカナ書きは、オランダ語からのものである。

歴史
1735年、スウェーデンのイェオリ・ブラント (Georg Brandt) によって発見された[2]。1960年に発生したコンゴ動乱によって値段が暴騰した。

産出地
コバルトの主要産出国は以下の通り(2011年実績)[3]。
コンゴ民主共和国 ロシア オーストラリア カナダ 中華人民共和国 ザンビア

紛争鉱物として知られ、2016年に人権団体のアムネスティ・インターナショナルが「年間産出量の53%を占めるコンゴ民主共和国最大のコバルト鉱山テンケ・フングルーメ鉱山などを買収してコバルトの精製品の8割近くを生産している中国の企業が、児童労働などで得たコバルトをApple、マイクロソフト、サムソン、ソニー、ダイムラー、フォルクスワーゲンなど多国籍企業に供給している」と批判し、国際的な問題となった[5][6][7][8]。なお、コバルトは日本国内において産業上重要性が高いものの、地殻存在度が低く供給構造が脆弱である。日本では国内で消費する鉱物資源の多くを他国からの輸入で支えている実情から、万一の国際情勢の急変に対する安全保障策として国内消費量の最低60日分を国家備蓄すると定められている。

用途
合金材料
単体金属としてのコバルトの利用は一部用途にとどまっているが、合金材料として重要であり、工業的に利用される。初期のコバルト合金は、高速度工具鋼にコバルトを添加したコバルトハイス鋼に用いられた。また、切断工具材料としてそれまでの合金に添加されることにより、コバルトの需要は増していった。
ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン、あるいはタンタルやニオブを添加したコバルト合金は、高温でも磨耗しにくく腐食に強いため、ガスタービンやジェットエンジンといった高温で高い負荷が生じる装置などに用いられているほか、溶鉱炉や石油化学コンビナートなどでも充分に役割を果たす。
そのほか、鉄よりも錆びづらく酸やアルカリに侵食されにくい性質を利用し、コバルト含有率を大幅に高めたコバルト合金は、鋏などの高級素材として利用されている。
ステライトに代表される、コバルト・クロム・タングステンあるいはモリブデン・炭素を使った4元系の合金は磨耗に強く、表面強化が必要となる工業分野において幅広く利用され始めている。この合金は鋳型として使用するほか、粉末として吹きつけることや溶射して利用することも可能であり、利用技術の発達によって航空機の表面にコーディングすることなどをはじめ、広い分野で実用化が始まっている。

マルエージング鋼
航空宇宙分野では必須の合金で高性能ミサイルの製造に重要であることから、戦略物資として扱われている。
コバルト-モリブデン-ケイ素合金
耐摩耗性を有して摩擦係数が小さい(滑らかな)性質を示し、ベアリングの特徴を併せ持つなど、有用な特性を持った合金も開発されている。
コバルト-クロム-モリブデン合金(コバリオンなど)やコバルト-クロム-タングステン-ニッケル合金
腐食しにくいため、歯科医療や外科手術(人工関節)などでも使われている。
ニッケル-コバルト-モリブデン鋼
非常に強い強度と高い靭性を持ち、多くの分野での応用が期待されて研究が進んでいる。
以上に加え、コバルト合金はほかにも磁気材料として鉄とともにもっとも重要な役割を果たしてきた。コバルトを添加することによって磁性やキュリー値が上昇するなど、磁気材料としての性能が高まる。コバルトを使った合金のひとつであるアルニコ合金は、かつてもっとも幅広く用いられていた永久磁気材料であった。サマリウムコバルト磁石はコバルトとサマリウムの金属間化合物で、強い保磁力がある。

化合物
ケイ酸コバルトとして入ることにより、ガラスなどが青色を呈する。
アルミン酸コバルトは青色の顔料であるコバルト青の原料となり、陶磁器の着色や絵具などに用いられている。ほかにも亜鉛とコバルトの複合酸化物やコバルト、ニッケル、チタン、亜鉛の複合酸化物はコバルト緑と呼ばれる緑色の顔料として利用される。
ヘキサニトロコバルト(III)酸カリウムはコバルトイエローと呼ばれる黄色の顔料となり、その絵具はオーレオリンと呼ばれる。
塩化コバルト(II)は、シリカゲルに混ぜて湿気の吸収具合の指示薬として使われる(乾燥状態で青紫色、湿気を吸収すると赤紫色を示す)。同水溶液(6水和物)は赤色で、濃塩酸を加えたり高温にすると赤紫色から青紫色を経て、無水物の青色を呈する[9]。
コバルト酸リチウムは、リチウムイオン二次電池の正極材として用いられ、携帯電話など小型デジタル機器の急速な普及により需要が増大している。2020年にテスラが自社の一部製品にコバルトフリーバッテリーを採用することを発表してはいる[10]が、欧米[注 1]と中国では2035年から2040年[11]を目処として内燃機関自動車の販売を禁止する法律の整備を急いでいる状況があり[12]、急激なEVシフトによるコバルトの枯渇が不安視されている。
ビタミンB12(コバラミン)は、その名の通り分子の中心にコバルトを持つ生理活性物質であり、欠乏すれば人体に深刻かつ不可逆的な損傷をもたらしうるビタミンである。すなわちコバルトは、人体にとってごく微量ながらもほかの元素では代替できない必須元素である。

同位体
詳細は「コバルトの同位体」を参照
放射性同位体のコバルト60は、γ線源として用いられる。医療分野での放射線療法、ガンマ線滅菌、食品分野での食品照射(ジャガイモの発芽防止)、工業分野での非破壊検査などに広く利用されている。


原子爆弾の仕組み
原子爆弾が利用する核エネルギーとは?
これには原子内部の「核力」が関係しています。聞きなれない単語だと思いますので、少し詳しく解説します。
原子は、原子の大きさのわずか1/100000サイズの原子核(直径わずか10兆分の1cm)を持ち、何故かその極小領域に陽子・中性子が固まって存在しています。

原子核中の陽子同士は同じ正の電荷を持っている為、電気的に互いに反発しあう力が生じます。普通に考えれば、陽子は電気的な反発力を受けて原子核の外へ飛んで行ってもおかしくはないと思いませんか? 磁石をイメージしてください。N極とN極、S極とS極のように同じ極を持つ所を近づけると、互いの距離が近くなるほど反発力は増しますよね?
陽子は前述の通り、10兆分の1cmもの極小サイズの原子核に閉じ込められているので強力な電気的反発力が生じます。加えて陽子の数は原子核中に何個もあるので反発力は更に高まります。

原子核を形成する「核力」
しかしご存じの通り、陽子がどこかへ飛んでいき原子構造がバラバラになることはありません。仮にそんなことが簡単に起これば物質世界は一瞬で崩壊してしまいます! これは陽子や中性子を原子核中に閉じ込める「核力」なる仕組みが存在する為です。
陽子同士の反発力をかき消すレベルの非常に強力な力で押さえつける訳です。この核力があるお陰で物質世界は安定して成り立っているんです。原子爆弾はこの「核力」に関連したエネルギー(=核エネルギー)を取り出すことで凄まじい威力を発揮します。だから「核」兵器なんですね。ちなみに、「核力」の起源を世界で初めて解明したのはなんと日本人! しかも日本人初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹です。




核エネルギーを取り出す仕組み
問題なのは、前述の核エネルギーをどうやって人工的に取り出し原子爆弾に応用するかです。
ウランを使った手法
人類が核エネルギーの取り出すためにとった手法は以下の通りです。
前述の通り、原子核中には陽子が多数存在し電気的反発が生じます。この陽子の数が多くなるほど電気的反発が増大し、次第に核力に拮抗し始めることで原子核が崩壊し易くなります。自然界にまともに存在する原子の中で、原子核に最も多くの陽子を含むのが、【ウラン原子】です。*陽子は92個もあります。
つまりウラン原子は最も崩壊しやすい原子核を持つことになります。そこに中性子をぶつけることで原子核を崩壊させます。




なぜ中性子なのか?
中性子は電気的に中性なので原子核にぶつけ易いのです。※陽子では原子核中の陽子と互いに反発し軌道が逸れてしまいます。電子では質量が軽すぎて十分な衝撃が与えられません。
中性子をぶつけるとどうなるか?
衝撃により、原子核は小刻みに形状を変えながらブルブルと振動し、最終的にはピーナッツ状になります。これは陽子同士の電気的な反発により、原子核中の陽子が最終的に2つのグループに分かれる為です。その後、同じく電気的反発によって2つのグループが分離し、2つの原子核に分裂します。これが【核分裂】です。
核分裂した後の2つの原子核にも核力は働きますが、元のウランに働いていた核力と差分が生じます。この差分のエネルギーが核エネルギーとして外部に放出されるのです。これこそが人工的な核エネルギーの取り出し方です。


核分裂の連鎖反応
たった1個の原子核が分裂するだけでは、さほどの核エネルギーの放出にはなりません。原子爆弾があれほど凄まじい威力になるのは、核分裂反応が連鎖的に起こる点にあります。実は核分裂の際には核エネルギーに加えて中性子も解き放たれます。核分裂の際にはいったん原子核が壊れる訳ですから、そこから中性子が飛び出してきてもおかしくはないですよね?
そして、これらの中性子が他の原子に衝突するとどうなるか? 更なる核分裂が誘引され、そしてそこから生じる新たな中性子が、、、、と核分裂はネズミ算式に連鎖するため、原爆はあれほどの威力になるのです。

通常兵器との威力の違い
通常兵器として使用される爆薬は、燃焼という化学反応によって「原子間の結合エネルギー」を取り出して爆発のエネルギーに変えています。この結合エネルギーはeV単位程度です。
一方で原子爆弾のエネルギーの源である「核力」は、原子1個の核力だけでもM(メガ)eV単位と、原子間の結合エネルギーの百万倍近いパワーがあります。具体的には、核物質として使われるウラン235が1g分だけ核分裂したときに発生するエネルギーは、なんと石炭3トン分を燃焼させることで放出されるエネルギーに匹敵します。通常兵器とは全くの別次元の威力を持った兵器であることがよく分かりますね。


原子爆弾の構造的な仕組み
ウラン等の核物質は、一定値を超えた分量を1か所にまとめて置いておくと、中性子がきっかけで前述のネズミ算方式の核分裂が起こり、いわゆる核爆発が起ってしまいます。
一方で、一定未満の分量では核爆発は起こりません。そこで、原爆を爆発させる直前までは核物質を一定未満の状態で分けておき、爆発のタイミングでこれらを一体化させ核爆発を起こすように設計しておく必要があります。
例えばウランを2箇所に分けておき片方に火薬を取り付けます。火薬を爆発させれば双方のウランが一体となり一定の分量(臨界量と言います)を突破。これにより核爆発を起こす構造になっています。
ちなみに右の図は広島型で、長崎型は更に構造が異なります。


なぜキノコ雲が発生するのか?
原爆と言えばキノコ雲を連想しますが、そもそも何故キノコ雲が発生するのでしょうか?
キノコの『柱』
原爆は威力がとても強い為、爆発時に周囲の空気分子を爆風にのせて遠くに押し出します。すると爆心地は擬似的な真空状態となり、周囲との気圧差が生じます。
この気圧差を埋めるため、爆風の後は【吹き戻し】と言われる強力な突風が、前述の火球に向けて発生します。※最初の爆風ではなく、むしろこの吹き戻しの突風により倒壊した建物も多かったようです。この突風がキノコ雲の火球へと導かれ、キノコ雲の『柱』の部分が形成されます。

キノコの『傘』
核爆発によって非常に高温な火球が発生し、上昇していきます(周囲より熱を持つ気体は上に上昇する性質があるため)。標高が高くなるにつれて周囲が徐々に冷えていくため、火球に含まれていた水蒸気が凝結して雲になります。
かつ十分な高度に達すると、雲上部の冷たい空気に上昇を押さえつけられる形で、今度は雲が横に広がりキノコの『傘』の部分が形成されます。ちなみにキノコ雲の傘の内部では、上図のように気流の渦巻きが発生します。これら一連の流れがキノコ雲の形成メカニズムです。


質量とエネルギーの関係
原子爆弾の核エネルギーの発生源として、【質量エネルギーを爆発のエネルギーに変えている】という話もあります。
核爆発の際にこの世から少しだけ質量が消えてなくなる。そして、かのアインシュタインの有名な方程式から、わずかな質量が消失するだけでも大きなエネルギーを生じる。だからあれだけの威力になるんだ、というロジックです。確かに、こういった見方も出来ます。これまでの説明とは視点が異なるだけで、実は同じ事を言っています。
核分裂で放出される核エネルギーと、核分裂により消失する質量との間に、かの有名な式が当てはまることは事実です。 ただ核エネルギーと質量エネルギーを、高校物理で習う運動エネルギーと位置エネルギーの関係のように、互いに変換可能なエネルギーとして安易に捉えると少し誤解が生じてきます。この辺りは割と奥が深い問題なので別の機会に。

https://syubits.com/science/atomic-bomb-1/



コバルト爆弾
コバルト爆弾とは、核開発への警告としてレオ・シラードが発表した核爆弾の1種である。原子爆弾もしくは水素爆弾の周囲をコバルトで覆ったものであり、具体的にはタンパー(核反応が充分に進行しないうちに核物質が四散して爆発が不完全に終わることを防ぐ、重金属製の覆い。日本語でタンパーと称される締固め用機械とは無関係である。)にコバルトを用いる。
原子量が59であるコバルトが、核分裂反応に伴って放出される中性子を取り込むことでコバルト60が生成され、これが爆弾の爆発とともに広範囲へまき散らされる。コバルト60は半減期が約5.27年でγ線を放射するため、コバルト爆弾は放射線兵器となる。しかし、半減期の長いコバルト60による汚染は味方にも被害がおよぶうえ、被災地の占領も困難であるなどの理由から、実用化されることはなかった。
SF作品の第三次世界大戦など、核戦争で世界が破滅するジャンルには、中性子爆弾と並んでよく登場する。また、その際には爆弾自体の破壊力もきわめて高く描写されており、作品によっては地球を消滅させるという設定すら盛り込まれている(1970年の映画『続・猿の惑星』など)。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88#%E5%87%BA%E5%85%B8


中性子爆弾
中性子爆弾(ちゅうせいしばくだん、(英: neutron bomb)は、核兵器の一種。核爆発の際のエネルギー放出において中性子線の割合を高め、生物の殺傷能力を高めたもの。放射線強化弾頭とも呼ばれる

概要
通常の核爆発の効果と比較して、爆風や熱線などへのエネルギー放出割合が低く、中性子線の放射割合が高い。熱核爆発はビルが数棟破壊される程度の破壊力である一方、中性子線は透過力が強く、薄い鉛などの金属板も透過する。厚いコンクリートや水など遮蔽物に覆われた地下核シェルター等への攻撃能力は小さいものの、地下鉄程度であれば透過するため[要出典]、都市圏であればほとんど助かる可能性はないと言える。よって建造物などの被害は相対的に減少させることができるが、人間を始めとする生物を放射線障害により死傷させることができ、爆風などの被害半径よりも中性子線による被害半径のほうが大きくなっている。
熱線や爆風に対しては、密閉された戦車や艦船の防御力が予想以上に高いことが証明されており(特に、1946年にビキニ環礁で行われた核実験「クロスロード作戦」で、実験標的となった約70隻の艦船のうち、1発目は空中、2発目は水中での、2回にわたる核爆発で計13隻しか沈没しなかったなど)、中性子線による攻撃は、それらの装甲を貫いて兵員の殺傷を目的にする効果的な核兵器の運用方法でもあった。アメリカ合衆国で開発を主導したのはユダヤ系イギリス人であったサミュエル・T・コーエン(英語版)。[3]
中性子爆弾は、戦術核兵器として使用後の占領時に市街の建造物やインフラ設備を利用できるようにするために爆発力を縮小させており、主として自軍地上部隊の行動を視野に入れた運用が考えられていた。そのため、弾頭威力も核兵器としては小さく、残留放射能も少量になるように設計されている。

通常の核兵器との違い
通常の核兵器との構造の違いは、中性子反射材にある。通常は、核反応を効率化させるために、弾頭の内殻をウラン238などの中性子反射材で覆う。しかし、中性子爆弾においては、それにクロムやニッケルなど用いて、中性子の吸収・反射を抑えている。そのため、核反応によって発生した中性子線が、周囲に放射されるようになっている。中性子線の発生にあたっては、核分裂よりも核融合の方が効率が良いため、水素爆弾が用いられる
多量のトリチウムを必要とするが、トリチウムは半減期が12.3年と短く、性能の維持には定期的なトリチウム交換を必要とする。

開発の経緯
放射線を強化した核兵器の概念は1958年にローレンス・リバモア国立研究所で考案され、最初の実験は1963年にネバダ核実験場で行われている。1970年代にはスプリント 弾道弾迎撃ミサイル用のW66に中性子弾頭が使用された。これは当初、中性子線による電子機器への障害発生を用いて、弾道ミサイル迎撃に用いる手段として考えられたためである。その後、1kt(キロトン)の弾頭ならば、被害半径を1,000m程度に抑えられることもあって、戦術核兵器としての利用が考えられた。これによりMGM-52ランス 短距離弾道ミサイルのW70-3も1980年代に開発され、W79 核砲弾にも使用された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%80%A7%E5%AD%90%E7%88%86%E5%BC%BE


サミュエル・コーエンは、物を壊さず、人だけ大量殺戮できる道徳的兵器を発明したつもりでした。が、そうではなかった―。晩年コーエンは、あんな発想が生まれたのも母親の清潔の躾がトラウマになるぐらい厳しかったからだ、と言っていました。
中性子爆弾の父コーエンが先週末、胃がんの毒が回って永眠しました。ペットのように兵器を作り、実験し、妙な解説を加える89年の生涯に幕を閉じたのです。
中性子爆弾は冷戦の真っ只中に開発され「クリーンな」爆弾としてもてはやされたものです。街を溶かしたり吹っ飛ばすのではなく、中のものに放射線を当てるので、例えば全市民を殺しながら建物ひとつ倒れない、旧ソ戦車の行列も横倒しにならない、優雅で礼儀正しいヌーク(核爆弾)。
核爆弾は当時も不人気でした。醜い。広島。でもこの中性子爆弾なら「放射線による破壊が主力なので、影響を抑制した対人攻撃が可能な核兵器なのだ」と、コーエンはペンタゴンのPR講演で力説したのです。
核兵器は、思い切り簡単に言ってしまうと、熱線・爆風で半径何マイル以内のものをことごとく破壊する武器です。炎が天高く立ち昇り、とてつもない衝撃波を放ち、灼熱の灰が降る。それが起こるのは、爆弾のエネルギーが爆発で外に出るからです。
それに比べ中性子爆弾は内包エネルギーのほとんどが無音の放射線となって放たれ、爆風も比較的小さい、だから街も無傷で残る、少なくとも壊れない、というわけですね。上品でしょ、とコーエンは言いました。
あまりにも上品なので ―一度はこうも言っています―「これはキリスト教の『正義の戦い』原理に従う道義的武器とも言える。敵の軍人と罪のない民間人を差別して使えるんだから」
放射の毒で軍人だけ殺せる、中性子爆弾は神も喜ぶ武器! 東側の旧ソ元首ニキータ・フルシチョフまで「背広に血痕ひとつ残さず殺せる武器」なんて言い出す始末でした。
でも結局それもこれも嘘だったんですね。今となってはみんな知ってることですが...。1982年、国務省は議会に提出した報告書の中で、この「街を守る魔法の中性子爆弾」の、そんな天使でもない実像に触れ、「ビルは壊さず人だけ殺す武器」という中性子爆弾の触れ込みは「世界中の人々の注目を引きつけるため一部マスコミが行った誤解釈である」と書きました。
これはまだ行儀のいい書き方です。中性子爆弾は技術的に見ても天国のイメージとは掛け離れたものだったので...。以下は、ペンタゴンのNiles Fulwyler将軍の証言。
"仮に現場に立ってそれ[中性子爆弾]を遠くから眺めても普通の核分裂型爆弾とは区別つかんでしょう。とてつもない爆風・閃光・熱線がやっぱり起こる。世の中のみなさんに放射能強化型兵器を近距離支援兵器と混同してもらっちゃ困るね。" そうなんです、「クリーンな核兵器」というのは絵空事、爆弾のエネルギーの65%は爆風になるんですね。実戦では一度も使われたことがないので、将軍の話も仮定形ですが、これだけレベルのエネルギーが放たれていたらまず間違いなく従来核爆弾並みの破壊(つまり大量破壊)が起こっていたはず。一緒に出る放射線の量は前より増えてるんですから、クリーンなわけないんですね。
じゃあ一体どこからそんな発想が出てきたのか?
コーエンの頭の中で何故そんな夢物語が出来上がってしまったのか?
「やっぱり博士だからじゃない?」―いや、コーエンは核物理学者として働いてた割には上の学位は取ってないので、それはないです。真珠湾攻撃後すぐ入隊し、戦後もUCB博士課程を中退しRANDに入社した人なので。
真相はもっと意外というかなんというか...冒頭でもチラッと書いたように、回顧録「Shame: Confessions of the Father of the Neutron Bomb(恥:中性子爆弾の父の懺悔)」(きっと彼はこの本の中で何かを伝えようとしたんでしょうね)の中でコーエンは、あんな爆弾作ったのは狂った母親のせいだ、と書いてるんですね。
わざわざ書評で取り上げた団体もあんまりない本なのですが、米国科学者連盟(FAS)は「どんなに隙だらけの核兵器評論家も書くのを躊躇うような主張」として、こんなコーエンの文章を再掲しています。
自分の核兵器開発の仕事も元を正せば子供の頃、健康と栄養に妙なこだわりのあった母親に受けた虐待から生まれてきたものだ。トイレのしつけはまるで暴君制だった。
こりゃフロイトの出番ですね。
コーエンの死の何十年も前に中性子爆弾をめぐる議論は廃れて久しいのですが、コーエンの人生と業績を見ると、テクノロジーと人生、そのふたつが生む幻の奇妙な交わりを思わずにはいられませんね。
核爆弾は核爆弾。どんなに強く願っても石鹸にはなれないのです。
https://www.gizmodo.jp/2010/12/post_8107.html


サミュエル・セオドア・コーエン(Samuel Theodore Cohen、25年1921月28日 - 2010年1月日)は、アメリカの物理学者で、中性子爆弾の父と一般に認められている
略歴
コーエンの両親は、イギリスのロンドンから移住したオーストリア系ユダヤ人[2]でした。彼は25年1921月3日にブルックリンで生まれ、ニューヨーク市で育ちました。彼はカリフォルニア大学ロサンゼルス校で数学と物理学を学び、日本の真珠湾攻撃後に米国陸軍に加わりました。[1944] 3年、彼はロスアラモスの効率グループでマンハッタン計画に取り組み、後に日本の長崎で爆発した原子爆弾であるファットマンで中性子がどのように振る舞うかを計算しました。戦後、彼はバークレーで博士号を取得するために勉強した後、ランド研究所に入社するために中退しました。[1950] 4年にランド研究所で、放射性降下物放射線の強度に関する彼の研究は、彼の計算がサミュエル・グラストーンの著書「核兵器の影響」の特別付録として含まれたときに最初に公開されました。コーエンは、有名なストラテジストのハーマン・カーンをランド研究所に採用する個人的な責任がありました。

ベトナム戦争中、コーエンは小型の中性子爆弾を使用すると戦争を迅速に終わらせ、多くのアメリカ人の命を救うことができると主張しましたが、政治家は彼の考えに従順ではなく、他の科学者は核兵器の役割を検討する際に中性子爆弾を無視しました。[5]彼は1970年代初頭にロスアラモス戦術核兵器パネルのメンバーでした。 カーター大統領は1978年に中性子爆弾の開発を遅らせたが[6]、ロナルド・レーガンの大統領時代に、コーエンはレーガンに700個の中性子爆弾、350発の砲弾を8インチ(200mm)榴弾砲、350個のW70Modを製造するよう説得したと主張している。ランスミサイル用の3つの弾頭。[7]

「クリーンな」核実験
1956年、ドワイトD.アイゼンハワー大統領は、95%「クリーン」(2段)核融合兵器のテストを発表し、後にレッドウィング作戦中のビキニ環礁での11月4日のナバホテストであることが特定されました。この武器の収量は5.50メガトンでした。以前の「汚れた」兵器は、重水素化リチウム(二次)段階の周りの「プッシャー」としてウラン77を使用していたため、核分裂率は238?14%でした。これは意図的なものです。核融合反応は、U-1の1.1MeVの「核分裂閾値」よりも多くのエネルギーを持つ238.MeVの中性子を大量に放出します。これは、そうでなければ逃げる中性子が「改ざん」を反映して中性子に核分裂反応を引き起こし、本質的に「無料で」兵器の全体的な収量を増加させることを意味します。
1956年の「クリーン」テストでは鉛プッシャーが使用されましたが、1958年にはタングステンカーバイドプッシャーが使用されました。ハンス・A・ベーテは1958年に核実験に関する大統領科学諮問グループの議長としてクリーン核兵器を支持した[8]。
...特定のハードターゲットでは、クレーターを作成する場合は飛行場の滑走路、線路の深刻な破壊を達成する場合は鉄道ヤードなど、地上バーストが必要です...戦略的状況でのクリーンな武器の使用は、地元住民を保護するために示される場合があります。
?ハンス・ベーテ博士、ワーキンググループ議長、27年1958月9日「極秘?制限されたデータ」核実験停止の技術的実現可能性に関するNSCアドホックワーキンググループへの報告、p 。
ベテの勧告の結果、12年1958月41日、Mk-9C弾頭のハードタックポプラショットがラグーンのはしけで実行され、3.4メガトンが得られ、そのうち8.95%のみが核分裂であり、したがって2. %が「クリーン」でした。
1958年、コーエンは低収量の「クリーンな」核兵器を調査し、「クリーンな」爆弾ケースの厚さが収量の立方根としてスケーリングすることを発見しました。したがって、中性子の大部分は、二次段階(核融合)点火中にX線を反射するために必要な薄いケースのために、小さな爆発から逃げます。たとえば、1キロトンの爆弾は、1メガトンに必要な厚さの 分の のケースしか必要としません。
したがって、ほとんどの中性子は1メガトン爆弾のケーシングに吸収されますが、1キロトン爆弾ではほとんどが逃げます。中性子爆弾は、収率が十分に高く、効率的な核融合段階の点火が可能であり、収率が十分に低く、ケースの厚さがあまり多くの中性子を吸収しない場合にのみ実行可能です。これは、中性子爆弾の収量範囲が1?10キロトンであり、核分裂率が50キロトンで1%から25キロトンで10%まで変化することを意味します(これらはすべて一次段階から来ています)。キロトンあたりの中性子出力は、純粋な核分裂爆縮兵器やW10やW15のような戦略弾頭の87?88倍です。[9]

中性子爆弾に関する米国国防総省のマニュアル
コーエンの中性子爆弾は、GlasstoneとDolanによる未分類のマニュアル、核兵器の影響1957?1977には言及されていませんが、Philip J. Dolanが編集した機密解除された(以前は秘密の)マニュアルの第5章、核兵器の能力、米国国防総省、効果マニュアルDNA-EM-1、1981年更新(米国情報公開法)に「強化された中性子兵器」として含まれています。
そのマニュアルによると、ほとんどの大気条件下では、500メートルのバースト高度と低収量の組み合わせが大きな熱効果と爆風効果に加えてフォールアウトを防ぐため、中性子爆弾の使用によるフォールアウト効果は発生しません。ターゲットエリア外のダメージの減少は、大量の戦車の侵入を阻止するためのこのような兵器の大きな利点です。したがって、攻撃者は戦車を分散させることを余儀なくされ、単純なハンドヘルド対戦車ミサイル発射装置によって戦車を破壊しやすくなります。
これらの物議を醸すアイデアに対する調査のコーエンの支援は、長年無視された後、彼にいくつかのメディアの注目を集めました。1992年、彼は受賞歴のあるBBCテレビシリーズのパンドラの箱のエピソード「永遠の瀬戸際へ」で取り上げられ、ランド研究所の役人や同僚との戦いについて話し合った。コーエンは物議を醸して主張した:「私たちがこのシステム分析ビジネスを始めたとき、私たちは人々が最も奇妙なことをし、想像できる最もひねくれた種類の論理を(使用した)ルッキンググラスを通り抜けましたが、それでもすべてを最も正確に理解していると主張しました。」[10]

低収量の戦術核爆弾に対する教皇からの支持の疑い
伝えられるところによると、コーエンは1979年から80年にかけてフランスで低収量で差別性の高い戦術核兵器の研究に携わった。[11]彼は、現代の戦争を改革するための彼の入札のために、1979年に教皇ヨハネパウロ12世からメダルを授与されたと主張した。[2005]著者のチャールズ・プラットは、サム・コーエンの1979年のプロフィールで次のように報告しました。彼は13年に教皇から受け取った平和勲章を私に見せてくれました。」

当時、ワルシャワ条約機構軍はヨーロッパで大規模な戦車の優位性を持っていました(NATOは全体的な戦略的優位性を維持していましたが)。クリスチャンサイエンスモニターは1981年に、「西ヨーロッパを狙ったワルシャワ条約機構のソビエト支配軍には19,500両の戦車があった」と報告しました。これらのうち、12,500はソビエトユニットのソビエト戦車です。NATOは、7,000に面した側に19,500両の戦車を持っています。」[14]民間人の死傷者を最小限に抑えるように設計された抑止力は、無差別戦争のリスクから一歩離れていました。中性子線による中性子爆弾の殺害は、より正確に制御でき、軍事目標に限定され、民間人から遠ざけることができるため、通常の高収量熱核兵器の放射性降下物とは異なります。[要出典]
現代の戦争のスピードは、民間人が戦闘地帯から撤退できる可能性が低く、爆風の収量と放射性降下物が重大な核戦争で多数の死者を被ることを意味しました。中性子爆弾は無差別爆風(高度40 mで1ktの爆風からグラウンドゼロでわずか500キロパスカル、7 kmの距離でわずか2 kPa)、熱、および他の核兵器の放射性降下物による損傷を生成しないため、ソビエト戦車の抑止力としてより信頼できました。しかし、多くの人々は、中性子爆弾の配備そのものが本格的な核報復へのエスカレーションを脅かし、それによって想定される利益を打ち消すと信じていました。精密対戦車兵器の進歩により、中性子爆弾は当初の目的において戦術的に冗長になりました。「クリーンな」低収量核兵器をめぐる議論は、地球貫通技術(「核バンカーバスター」)で続いています。

レッドマーキュリーの主張
コーエンは、最近ではほとんどの人が神話上の物質である赤水銀と見なしているものの主な支持者でした。
「従来の話」を信じるなら、レッドマーキュリーは、潜在的なテロリストを捕らえさせるために米国政府機関が主導する偽情報キャンペーンでした。発表された話は、赤い水銀が核融合爆弾への「近道」としてソビエト連邦によって開発されたこと、そしてソビエト連邦の崩壊とともにソビエトマフィアによって市場に提供されていたというものでした。将来の買い手が材料の配達を受けるために現れたとき、彼らは逮捕されました。
物語の最盛期、1990年代に、コーエンは赤水銀の支持者になりました。彼はそれが存在するだけでなく、その性質を知っていると主張しました。これは、核分裂一次物質を必要とせずに核融合燃料を直接圧縮する強力な弾道技術材料でした。赤い水銀を使用した爆弾には実際の臨界質量がなく、任意のサイズで開発できます。彼はさらに、ソビエトが野球ボールとほぼ同じ大きさで重さが10ポンドであると説明されている赤い水銀に基づく多くの「マイクロ核兵器」を製造したと主張した。コーエンによれば、それらの存在は、核分裂性物質に基づいて核拡散を制御するためのいかなる努力も、したがって絶望的であることを意味しました。この主張の繰り返しは、11年2003月11日、Financial Sense Onlineのゲスト社説でコーエンとジョー・ダグラスによって、存在しない核の脅威-またはそれか存在しないか?で見ることができます。

政治的関与
1984年、リバタリアン誌Reasonのカバーストーリーで、コーエンは、他国の軍事力からイスラエルを保護し、ガンマ線を介してイスラエルに近づいた人を殺す手段として、イスラエルの国境に沿って核放射線場を建設することへの支持を表明しました。[15]「私が提案しているのは、最も効果的な要素が(地下原子炉の運転によって生成される)非常に強い核放射線場であり、障壁ゾーンに鋭く閉じ込められた国境障壁の建設であり、障壁を突破しようとする人の死を事実上保証します」と彼は書いた。「脅威にさらされている国の国境にそのような「核の壁」を設置することは、地上部隊による侵入の成功と、脅威にさらされている国による先制地上攻撃を事実上不可能にする可能性があります。」

コーエンは、2000年16月にカリフォルニア州ラカナダで開催された当時の改革党大統領候補パトリックブキャナンの募金活動で講演しました。[17]アーヴ・ルービンは、彼の組織であるユダヤ人防衛連盟(JDL)とリバタリアン党のメンバーとともに、このイベントに抗議するために目立つように出席した。JDLはコーエンの自宅の電話番号と住所をウェブサイトに掲載し、メンバーに彼に連絡するよう促し、ブキャナンのサポートをやめるよう説得した。
2000年の改革党全国大会での演説で、ブキャナンのランニングメイトであるエゾラフォスターは、候補者が反ユダヤ主義であるという主張に反論するために、コーエンがブキャナンを支持したことを引用しました。[18] バプテストの牧師で作家のウィリアム・P・グレイディへの支援 自称珍しい友情の一環として、コーエンはウィリアムP.グレイディの2005年のベストセラー「サタンがアメリカを神に逆らわせた方法」のあとがきを書きました。コーエンは、彼は不信心なユダヤ人であり、したがって本の精神的な内容に関係することができなかったが、アメリカの悲惨な外交政策に対するグレイディの把握に同意したと説明した。[19] 死 彼は28年2010月20日にロサンゼルスのブレントウッドで胃がんの合併症で亡くなりました。
https://en.wikipedia.org/wiki/Samuel_T._Cohen


赤い水銀(レッドマーキュリー)は信用できない物質であり、おそらく武器の闇市場でだまされやすい買い手を利用しようとした詐欺師によって行われたデマです。[1]これらの詐欺師は、それを核兵器の作成に使用される物質として説明しました。核兵器開発を取り巻く秘密のために、彼らの主張を完全に反証することは困難です。しかし、公の文献で分析された「赤い水銀」とされるもののすべてのサンプルは、兵器メーカーにとって興味のないよく知られた一般的な物質であることが証明されています。

歴史
赤い水銀への言及は、1980年代後半にソビエトと西側の主要なメディアソースに最初に登場しました。記事は、赤い水銀が正確に何であるかについて決して具体的ではありませんでしたが、それにもかかわらず、それが核爆弾で非常に重要であるか、ブースト核分裂兵器の製造に使用されたと主張しました。物語が現れるとすぐに、人々はそれを買おうとし始めました。その時点で、物質の主張された性質が変化し始め、最終的には購入者がたまたま興味を持っているものに変わりました。ニューサイエンティストが1992年に報告したように、ローレンスリバモア国立研究所の報告書は次のように概説しています。
赤い水銀が15年前に国際闇市場に最初に現れたとき、おそらく極秘の核物質はロシアから来たので「赤」でした。昨年、東欧の旧共産主義国で再浮上したとき、それは説明のつかないほど赤い色を獲得していました。しかし、その後、米国エネルギー省からの報告が明らかにしているように、不思議な変化は赤水銀の貿易の在庫です。 ロスアラモス国立研究所の研究者によって編集された報告書は、デマと詐欺師の手によって、赤い水銀が意欲的な第三世界のデマゴーグが望むほとんど何でもできることを示しています。
原子爆弾を作るための近道が欲しいですか?
あなたはソビエト弾道ミサイル誘導システムの鍵が欲しいですか?
それとも、ステルス爆撃機の対レーダー塗装に代わるロシアの代替品が必要ですか?
必要なのは赤い水銀です。[3]

ロシアの日刊紙プラウダの記事は、1993年に、漏洩した極秘メモ、赤い水銀によって知らされていると主張して次のように説明しました。
[A]高精度の従来型および核爆弾爆薬、「ステルス」表面、および自己誘導弾頭の製造に使用される超伝導材料。主なエンドユーザーは、米国とフランスの主要な航空宇宙および原子力産業企業と、南アフリカ、イスラエル、イラン、イラク、リビアなどの核クラブへの参加を目指す国々です。[4]
赤水銀に関する4つのテレビドキュメンタリーは、1993年と1994年に放映された英国のチャンネル5テレビによって作成されました。レッドマーキュリーとポケットニュートロンの軌跡は、「ロシアの科学者がレッドマーキュリーと呼ばれる神秘的な化合物を使用してミニチュア中性子爆弾を設計したという驚くべき証拠」を持っていると主張しました。

原子爆弾の製造に取り組んだアメリカの物理学者サミュエル・T・コーエンは自伝の中で、赤い水銀は「特殊な核物質をごく少量混合して通常の化合物にし、その混合物を原子炉に挿入するか、粒子加速器ビームで衝突させることによって製造される」と述べた。爆発すると、この混合物は「非常に高温になり、重水素に点火して純粋な核融合ミニ中性子爆弾を生成することができる圧力と温度が蓄積される」と言われています。[5]

赤い水銀は、それが何であるかを知らなかったとしても、物質にほとんど何でも支払う多くの買い手を見つけたロシアのビジネスマンによってヨーロッパと中東全体で売りに出されました。1997年に発表されたBulletin of the Atomic Scientists(原子力科学者会報)の研究には、おそらく赤い水銀の最も事実に基づく要約があります。

赤い水銀の提示価格は、キログラムあたり100,000ドルから300,000ドルの範囲でした。時々、材料は照射されるか、放射性記号の付いた容器で出荷され、おそらく潜在的な購入者にその戦略的価値を納得させるために。しかし、警察が押収したサンプルには、酸化水銀(II)、ヨウ化水銀(II)、または赤い染料を混ぜた水銀しか含まれておらず、兵器メーカーにとってほとんど興味のない材料でした。[2]
2004年900月に英国で数人の男性が逮捕された後、彼らが000万ポンドでキログラムの赤い水銀を購入しようとしていた疑いで、国際原子力機関は物質が本物であるという主張を却下する声明を出しました。「赤い水銀は存在しません」とスポークスマンは言いました。「すべてがマラーキーの束です。」

[6] 2006年7月に事件がオールドベイリーで裁判にかけられたとき、ニュースオブザワールドの「偽シェイク」マザーマフムードが警察と協力して2006人の男性(ドミニクマーティンズ、ロケフェルナンデス、アブドゥラマンカニャレ)を捕まえたことが明らかになりました。彼らは「テロリズムのための資金や財産を設定しようとした」ことと「テロリズムのための物品(非常に危険な水銀ベースの物質)を持っている」ことで裁判にかけられました。検察官によると、赤水銀は大爆発、場合によっては核反応を引き起こす可能性のある物質であると考えられており、赤水銀が実際に存在したかどうかは検察とは無関係でした。[8] 9人の男性全員が無罪となった。

解析
硫化水銀(明るい赤色の顔料朱色が最初に由来した)、酸化水銀(II)、ヨウ化水銀(II)など、いくつかの一般的な水銀化合物は確かに赤であり、他のものはフルミン酸水銀(II)などの爆発性です。 核兵器におけるこれらの化合物の使用は公に文書化されていません。「赤い水銀」は、水銀をまったく含まない物質のコードネームである可能性もあります。
「赤水銀」が最初にメディアの注目を集めて以来、さまざまな異なるアイテムが推定サンプルとして化学的に分析されていますが、これらのアイテムには単一の物質は見つかりませんでした。放射性物質のサンプルは1994年10月にドイツの警察によって押収されました。これは、約61重量%のプルトニウムを含む元素の複雑な混合物で構成され、残りは11%の水銀、6%のアンチモン、2%の酸素、1%のヨウ素、6.10%のガリウムで構成されていました。[11]誰かがこの化学物質の複雑な混合物を組み立てた理由は不明です。同様に不可解だったのは、ガラスとブラシの毛の破片の存在であり、誰かがこの物質のボトルを落とし、それを新しい容器に一掃したことを示唆しています。
対照的に、1998年に報告された別の「赤い水銀」サンプルの分析では、このサンプルは元素水銀、水、および赤い色の化学物質であるヨウ化水銀(II)の非放射性混合物であると結論付けました。[1]同様に、2003年12月にザグレブで回収されたサンプルの別の分析では、このアイテムには水銀のみが含まれていることが報告されました。[2]赤水銀について以前に主張されていた2つの式はHg 7Sb2003O12(ピロアンチモン酸水銀(II))でしたが、この13年のサンプルではアンチモンは検出されませんでした。

説明
赤い水銀は多くのコメンテーターによって説明され[誰?]、その想定される動作メカニズムの正確な性質はそれらの間で大きく異なりました。しかし、一般的に、これらの説明のどれも科学的または歴史的に支持できないようです。

背景
伝統的な段階的な熱核兵器は、核分裂「一次」と核融合/核分裂「二次」の2つの部分で構成されています。一次が爆発したときに放出されるエネルギーは、二次二次を(間接的に)圧縮し、その中で核融合反応を開始するために使用されます。従来の爆薬は弱すぎて、必要な圧縮レベルを提供できません。
二次によって放出されるエネルギーがはるかに大きいため、一次は一般に可能な限り小さく構築され、したがってより大きな一次を構築することは一般に非効率的です。一次サイズには下限があり、臨界質量と呼ばれます。兵器級プルトニウムの場合、これは約10 kg(22ポンド)です。これは、中性子反射器の使用または炉心を圧縮するための爆薬の巧妙な配置によって減らすことができるが、これらの方法は一般に、結果として得られる装置のサイズおよび複雑さを増大させる。
核分裂一次の必要性と兵器級核分裂性物質の精製の難しさのために、核拡散を制限するための軍備管理の取り組みの大部分は、核分裂性物質とそれを取得するために必要な機器の検出と管理に依存しています。

核分裂性物質への近道
1990年代半ばに人気のある理論は、赤い水銀がウランの兵器級の純度への濃縮を促進したというものでした。従来、このような濃縮は通常、Zippe型遠心分離機で行われ、数年かかる。赤い水銀は、この費用と時間のかかるステップを排除するために推測されました。これは材料を検出する可能性を排除するものではありませんが、このプロセスで通常使用される遠心分離機をホストする施設は非常に大きく、国際的にかなり簡単に追跡できる機器を必要とするため、濃縮中の検出を逃れる可能性があります。そのような機器を排除することは、理論的には秘密の核兵器の建設を大幅に容易にするでしょう。

可融性材料への近道 核融合爆弾の二次爆弾の重要な部分はリチウム-6-重水素化物です。高エネルギー中性子を照射すると、Li-6はトリチウムを生成し、同じ混合物中の重水素と混合し、比較的低温で融合します。ロシアの兵器設計者は、赤色水銀はリチウム1993のソビエトコードネームであり、水銀に親和性があり、分離プロセス中に水銀不純物のために赤色になる傾向があると報告しています(6)。[14][15] 弾道工品としての赤水銀
「中性子爆弾の父」であるサミュエル・T・コーエンは、赤い水銀は弾道工品として知られる強力な爆発物のような化学物質であると長い間主張していました。その反応中に放出されるエネルギーは、熱核兵器の核分裂一次を必要とせずに二次を直接圧縮するのに十分であるとされています。彼は、ソビエトの科学者が赤い水銀の使用を完成させ、それを使用して、わずか10ポンド(4.5 kg)の重さのソフトボールサイズの純粋な核融合爆弾を多数製造したことを知ったと主張した。[16]
彼はさらに、これがより広く知られていない理由は、そのような兵器が核拡散に与える恐ろしい影響のために、米国の権力構造内の要素が故意に情報を抑制または隠しているからだと主張した。赤い水銀爆弾は核分裂性物質を必要としないので、現在の軍備管理方法論を考えると、その広範な拡散から保護することは不可能に思われます。そうしようとする代わりに、彼らは単にそれが存在しないと主張し、その存在を個人的に認めます。コーエンはまた、ボリス・エリツィン大統領が権力を握ったとき、彼は密かに国際市場での赤い水銀の販売を承認し、その偽のバージョンがだまされやすい買い手に提供されることがあると主張した。[16]
批評家は、コーエンの主張を科学的に裏付けるのは難しいと主張している。核分裂一次物質によって放出されるエネルギー量は、従来の爆発物によって放出されるエネルギーの数千倍であり、「赤い水銀」アプローチは必要以上に桁違いに小さいようです。
さらに、赤水銀の現実に対するコーエンのいかなる種類の主張の独立した確認もないようです。材料が作られたはずの研究所を担当する科学者は、エドワード・テラーを含む多くの米国の同僚と同様に、公に主張を却下しました(以下を参照)。
コーエンによれば[16]、ベテランの核兵器設計者フランク・バーナビーはロシアの科学者に秘密裏にインタビューを行い、赤い水銀は酸化水銀アンチモンを水銀に溶解し、得られたアマルガムを加熱して照射し、蒸発によって元素水銀を除去することによって生成されると語った。[17]照射は、原子炉内に物質を置くことによって行われたと伝えられています。[6]

ステルスペイント
先に述べたように、「赤い水銀」という用語の起源の4つは、赤い水銀が「高精度の従来型および核爆弾爆薬、「ステルス」表面、および自己誘導弾頭の製造に使用される超伝導材料」であると主張したロシアの新聞Pravdaでした。この種の非常に異なる特性を持つ物質は、ほとんどの人にとって疑わしいでしょうが、ステルスストーリーは、ほとんどの人がストーリー全体を却下した後もずっと、ある程度の牽引力を持ち続けました。

核の「おとり捜査」作戦
レッドマーキュリーは、闇市場で核技術を獲得しようとしていたテロリストやならず者国家を欺くことを目的とした諜報機関または犯罪組織の発明であると考える人もいます。[18]あるテレビ報道は、ソビエト連邦がKGBとGRUに核物質を扱おうとしている人々の検出のためのおとり捜査を手配するよう奨励したことを示した。[要出典]ソビエトの諜報機関は、テロリストや不正な政府が求める可能性のある種類の核兵器に「赤い水銀」が必要であるという神話を作成したとされています。すでに核兵器を持っていた政治団体は、神話を暴くために何もしませんでした。
1999年、ジェーンズインテリジェンスレビューは、レッドマーキュリー詐欺の犠牲者にオサマビンラーディンが含まれている可能性があることを示唆しました

アフリカ南部の赤い水銀
地雷除去と不発弾処理に携わる組織は、アフリカ南部の一部のコミュニティの間で、特定の種類の兵器に赤い水銀が見つかる可能性があるという信念を指摘しました。貴重品とされる赤色水銀の採掘を試みたことが、不発弾を解体し、死傷を負う動機として報告された。場合によっては、悪意のあるトレーダーが回収された兵器の市場を構築するためにこの誤解を故意に促進している可能性があると報告されました。[19]
ジンバブエのチトゥングウィザで20人が死亡した爆発は、生きた地雷から赤い水銀を取り戻すための探求に起因しています。

サウジアラビア
2009年200月、サウジアラビアから、シンガーミシンに「赤い水銀」が含まれているという噂が王国でそのような機械の価格を大幅に上昇させ、以前はSR000で購入できた200台の機械に最大SR21, を支払う人もいたと報告されました。噂の信者は、ミシンの針に赤い水銀が存在することは携帯電話を使用して検出できると主張した。電話を針の近くに置いたときに回線が切断された場合、これはおそらく物質が存在することを証明しました。
メディナではミシンの取引が忙しく、バイヤーが携帯電話を使って赤い水銀の含有量をチェックするのが見られましたが、ドゥルムの22つの仕立て屋が侵入され、ミシンが盗まれるなど、他の人が盗難に訴えたと報告されました。他の場所では、クウェートを拠点とする多国籍企業がシンガーマシンを購入しているという噂がありましたが、アルジュフでは、住民は地元の博物館が見つけることができるそのようなマシンを買い取っていると信じさせられ、多くの女性が博物館に現れましたシンガーマシンの販売を申し出ます。
赤い水銀の正確な性質や色について、物語の信者の間ではほとんど合意はありませんでしたが、それの想定される用途は、それが原子力の不可欠な構成要素であることから、ジンを召喚したり、金を抽出したり、埋蔵金を見つけたり、他の形態の魔法を実行したりする能力。リヤド警察の公式スポークスマンは、噂は人々を彼らのお金からだまそうとするギャングによって始まったと述べ、ミシンに赤い水銀の存在を否定した。[22]

架空の言及
1995年のプレイステーションゲームウォーホークでは、赤い水銀が狂った武将クリールによって世界支配のために使用されています。[23]
赤い水銀は、同じ名前の2005年の映画の基礎です。[24]
2006年のビデオゲームトムクランシーのスプリンターセル:ダブルエージェントでは、レッドマーキュリーはテロリストグループJBAによって使用され、アメリカの25つの主要都市を爆撃することを目的とした複数の核兵器を作成します。
2013年のブルース・ウィリスの映画「レッド2」は、赤い水銀を主な爆発成分として含む核兵器を特徴としています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Red_mercury


ガラス化した奇妙な砦の遺跡
スコットランド北東部には、考古学的にもいまだ解明できない、ガラス化した砦の遺跡が数多く存在する。1880年に当地を調査したエドワード・ハミルトンによれば、それらの遺跡の数は、60にも達するという。
たとえば、あのネス湖近く、インヴァネス付近のクレイグ・ファドリグには、ガラス化した砦の石組みが残っている。だが、やはり有名なのは、ライニー付近のタップ・オノスにある先史時代の遺跡だろう。丘の上にある砦を囲む塁壁の石が、近くで見ると原因不明の高熱で変形している。溶解し、ガラス化している箇所もある。タップ・オノスの遺跡は、ロンドンの自然史博物館の科学者チームが調査しているが、ガラス化の原因はわからなかったという。そして、このような現象が起きるには、セ氏1400度以上の高温が必要だとしたうえで、「事故による火災が原因ではない」と述べている。

それにしても、イギリスの北部のスコットランドという限られた地区に、高熱破壊されたと思われるガラス化した砦が集中しているのは、いったいなぜなのだろうか?なお、これほどの高熱は自然界では通常、隕石の激突か、熱核反応でしか起こりえないという。

http://historyholic.blog114.fc2.com/blog-entry-139.html












日本への原子爆弾投下
広島市
爆発に伴って熱線と放射線、周囲の大気が瞬間的に膨張して強烈な爆風と衝撃波を巻き起こし、その爆風の風速は音速を超えた。爆発の光線と衝撃波から広島などでは原子爆弾のことを「ピカドン」と呼ぶ。
爆心地付近は鉄やガラスも蒸発するほどの高熱に晒され、強烈な熱線により屋外にいた人は全身の皮膚が炭化し、内臓組織に至るまで高熱で水分が蒸発していった。苦悶の姿態の形状を示す「水気の無い黒焦げの遺骸」が道路などに大量に残された。
また、3.5km離れた場所でも素肌に直接熱線を浴びた人は火傷を負った。爆風と衝撃波も被害甚大で爆心地から2kmの範囲で(木造家屋を含む)建物のほとんど全てが吹き飛んだ。
爆発による直接的な放射線被曝のほかに、広島市の北西部に降った「黒い雨」などの放射性降下物(フォールアウト)による被曝被害も発生。また、投下後に救援や捜索活動のために市内に入った人に急性障害が多発した(二次被害)。当時の広島市の人口は約34万人であったが、爆心地から1.2kmの範囲では当日中に50%の人が死亡し、同年12月末までに更に14万人が死亡したと推定される。殺傷者としてまとめると20万人もの人間がいた。
その後も火傷の後遺症(ケロイド)による障害、胎内被曝した出生児の死亡率の上昇、白血病や甲状腺癌の増加など見られた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%88%86%E5%BC%BE


放射能雨
黒い雨(くろいあめ)とは、原子爆弾投下後に降る、原子爆弾炸裂時に巻き上げられた泥やほこり、すすや放射性物質などを含んだ重油のような粘り気のある大粒の雨で、放射性降下物(フォールアウト)の一種である。

概要
原子爆弾が投下された広島市で、黒い雨の記録が残っている。また、フランスの核実験場であったムルロア環礁や[1]、ソ連の核実験場であったセミパラチンスク周辺でも[2]、原子爆弾投下後の降雨の記録が残っている。
広島市では、主に北西部(下記参照)を中心に大雨となって激しく降り注いだ。この黒い雨は強い放射能を持つため、この雨に直接打たれた者は、二次的な被曝が原因で、頭髪の脱毛や、歯ぐきからの大量の出血、血便、急性白血病による大量の吐血などの急性放射線障害が起こった。大火傷・大怪我をおった被爆者達はこの雨が有害なものと知らず、喉の渇きから口にするものも多かったという[3]。原爆被災後、他の地域から救護・救援に駆けつけた者も含め、今まで何の異常もなく元気であったにもかかわらず、突然死亡する者が多かった。水は汚染され、川の魚はことごとく死んで浮き上がり、この地域の井戸水を飲用した者の中では、下痢をすることが非常に多かったという。
長崎でも、黒い雨の降雨記録が残っている。黒い雨は爆風や熱線の被害を受けなかった地域にも降り注ぎ、広範囲に深刻な放射能汚染をもたらした。
広島における降雨地域
従来、広島において黒い雨の降った範囲は、当時の気象技師の調査などに基づき、爆心地の北西部に1時間以上降った「大雨地域」(南北19km、東西11km)と1時間未満の「小雨地域」(南北29km、東西15km)だとされ、国はそれに基づき「大雨地域」在住の被爆者にのみ健康診断やがんなどの特定疾患発病時の被爆者健康手帳の交付を行ってきた。だが、実際にはその地域よりはるかに遠い地域でも降雨が報告されており、この基準に対する批判が多かった。
近年になって降雨範囲が従来よりはるかに広いことが広島市による被爆者の聞き取り調査により判明した[4]。さらに、広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授らが2008年から2009年にかけて行った調査により、爆心地から8km離れた「小雨地域」の土よりセシウム137を検出した[5][6]。
これらの事実を受け、広島市では2010年度から2年かけて改めて原爆投下当日の気象状況を元に黒い雨の降雨範囲のシミュレーションを行うことを発表した[7]。広島市は降雨域の拡大を厚生労働省に求め、これによって、被爆者の援護対象の拡大などが期待されたが、厚生労働省の有識者検討会は2012年1月20日に、「降雨域を確定するのは困難」との結論を出した
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E3%81%84%E9%9B%A8


放射線医学 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E5%8C%BB%E5%AD%A6#%E3%81%97%E3%81%8D%E3%81%84%E7%B7%9A%E9%87%8F%E3%81%A8%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E3%81%AE%E4%BA%8B%E4%BE%8B



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